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読書するギドク 『ブリーダ』について

 手にしたきっかけは、ギドク『アリラン』のなかでこの本を読むシーンがあったから。作者のパウロ・コエーリョについてはあまり知らないので、以下ギドクとの関係で記します。

パウロ・コエーリョ 『ブリーダ』

 章立てが「夏と秋」「冬と春」となっており『春夏秋冬そして春』を想起させるが、季節はあまり重要な要素ではない。冒頭に「アイルランド 1983年8月‐1984年3月」とあり、ブリーダという主人公に起こった出来事の記録になっている。夏ごろから始まり、秋と冬を経て、春までのお話というだけで、そこに特段の意味合いを込めたわけではないようだ。
 また、「分身」という主題が出てくるが、これもギドクがアリランでやった意味での「分身」ではない。もっともギドクの「分身」は心内語や葛藤を観客に見せるためのサービスみたいなものだが……。

 ギドク映画では自作の引用はよく見られるが、聖書や仏教説話以外の現代作家の作品が導入されることは珍しい。例外的に『絶対の愛』では、G.ガルシア=マルケス『わが悲しき娼婦たちの思い出』が登場する。ギドクの映画の登場人物たちが夢や幻想に逃避するように、マジックリアリズム的な箇所に惹かれたのかもしれないが、作品テーマとの関係が私には見えなかった。
 『ブリーダ』は果たしてどんな小説か。ギドクはどんな意図で『ブリーダ』を引用したのか。

「魔術を習いたいんです」娘は言った。


と唐突に始まる『ブリーダ』の物語は、魔術師やウィッカと呼ばれる魔女などが登場する世界だ。それでも『ハリー・ポッター』みたいにホウキにまたがって空を飛んだりはしない。ブリーダの「魔術とは何なのですか」という問いに対して、魔術師はこう答える。

魔術は橋だ。目に見える世界から目に見えぬ世界へと渡っていける橋だ。そうして双方の世界から学びを受ける。


 その橋を渡るには2つの方法があるとされ、こう説明される。

太陽の伝説、それは空間を、われわれの周りにあるものを通して秘密を教えてくれる。そして月の伝説は時を、時の記憶の中に封じ込められたものを通して教えてくれる。


 この2つの伝説をブリーダは魔術師とウィッカのそれぞれから学ぶわけだが、このあたりの用語はファンタジーの要素を感じさせる。しかし呪文を唱えて何かを動かしてみたり、悪役が登場して魔力合戦に応じるわけでもない。だからブリーダが魔女なのか何なのかよくわからない。
 修行の過程で“過去生”の自分を体験したり、宇宙に思いを馳せる神秘的な体験をしたりはするが、突拍子もないものではない。幻覚や幻想の類いとも言えるし、やや神秘主義的な宗教に近く、ブリーダの魂の遍歴(=自分探しを描いているように思える。最初に魔術師から課される修行は、サソリや蛇が生息する森のなかで一夜を明かすことだが、その体験を経てブリーダはこんなことを考える。

信仰とは夜の闇に説明なく潜ること


 この言葉は信仰の要諦を捉えている。どこの馬の骨かわからない新興宗教の教祖の言葉は信じられない。しかし、論理的にわかるレベルではなく信仰する段階となれば、キリストにしても仏陀にしても同じことなのだ。最後は目をつぶって飛び込むしかないのだから。

 それから「分身」というテーマだが、この小説では転生するとき男と女に別れるとされている。すると魂は弱まっていくから「分身」は再会することがある。この再会を“愛”と呼ぶのだそうだ。
 だから本当の“愛”は「分身」との間に生じるはずだが、われわれは愚かな人間だから間違いはつきもので、自らの「分身」以外を愛してしまうこともある。それに気がつくと別れが訪れ、また「分身」探しの日々が始まる。
 ブリーダも愛する彼氏と自らの「分身」である魔術師との間で揺れ動く。魔術師はブリーダが「分身」と知っていても、ブリーダはそれを知らないからだ。広い世界では「分身」に出会うこと自体が難しく、つまりは本当の“愛”に出会うのも難しいことなのだ。
 パウロ・コエーリョはいわゆるスピリチュアル系の作家とされているようで、ブリーダもそんな体験をしていく。闇に潜り、“過去生”を知り、イニシエーションとしての新たなセックスで宇宙を感じ、春分の日のパーティーでは裸で踊り出し魔女になる儀式をする。こんな体験が重要なのか私には疑問だし、理解できず退屈なところもあるのだが、一方で現実的に役に立つ言葉もある。師匠のひとりであるウィッカは、存在の真なる理由、自分が何のためにいるのかという質問には答えはないと語る。

勇気のある者と太陽と月の伝説を知る者のみが、この問いに対する唯一の答えらしきものを知っている。「わからない」ってね。


至極真っ当な答えだろう。そして次のように続ける。

自分の夢を追う、ってこと。自分の望む方向に向けて足を踏み出す勇気を持つということは、私たちが神を信じるということのたったひとつの表現法なんだわ。


 結局ブリーダにとって、魔術を学ぶことは神について考えることと等しく、それはわれわれが“自分探し”と呼ぶものと何も変らないのだ。だからスピリチュアル系でない人でも親近感を持って理解できるだろう。ギドクもひきこもりに苦しみながら、そんな“自分探し”をするブリーダに自らを重ねたのかもしれない。

パウロ・コエーリョの作品
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Date: 2012.04.01 Category: 小説 Comments (20) Trackbacks (0)

この記事へのコメント:

まれ

Date2019.02.20 (水) 01:47:40

こんばんは。Nickさんの読まれた本の中で、タイトルや装丁からくるイメージに全く興味がわかなかったものの、なんとなく感想を読みましたら「大物」を当ててしまいました。というのも、偶然にも数日前、中沢新一氏のカイエソヴァージュについて読み、自身のチベット密教の修行における体験から、氏の考えではラスコー壁画は石器時代の人々が洞窟の中の暗闇において、内から湧き出る感覚が視神経に影響を与え「神」を見たのでは?と結論づけており、なるほどと思っていたからです。今のところ「神」の定義はここが到達点で、実際そうなのかもと思っており、この本はさらに一歩進んで「自分の望む方向に…」の部分に生きる指針が記されているのが素晴らしい作品だと思いました。Nickさんのように深く理解できるかわかりませんが、神の存在や自分探しをしている人に納得のいく一冊ではないかと。

余談になりますが、数年前、チベットを訪れた友人が撮った写真で修行をしている高僧たちの頭頂からうっすらと白い柱のようなものが立ち上っているのを見て、高僧までいくとトランス状態に入れるのかと理解しました。個人的な見解ですが、新興宗教の教祖はその方法を習得し、それを見せられたインテリが帰依してしまったのでは?と思っています。単なる訓練の賜物であって、誰しもが辿り着けるのに、彼らは取得した「技」ではなく、パフォーマーに「神」を見てしまったのが悲劇の始まりだったのではないかと。問題は「技」を習得した人が「神」のような人格者とは限らない点で、そこに気付かないと、あっという間に支配下におかれ、利用されてしまうのが宗教の危険なところだと事件を通して感じました。

Nickさんの感想、作品の核になる部分を含めての要約になっていて、たくさん読めない、観れない私には、とても興味深く、楽しく拝読しています。オゾン監督に感謝。新作上映延期の裁判はパリと事件のあったリヨンであり、パリは延期要求を却下し、予定通り明日20日より上映。リヨンでは推定無罪を理由にまだ判決は出てないようです。実は加害者は虐待を認めているので、何故裁判なのかと思ってましたら、被害を知っていたのに黙認、隠蔽していた教会側の責任者らが訴えられているようです。加害者は「自分の悪行は決められていたこと」と教会側を説き伏せていたようで、タイトルのGrâce à Dieuが「神の思し召し」的な意味合いにならば、広い意味で物議を醸し、オゾン監督が事件に興味を持ったのも納得でした。

Nick

Date2019.02.20 (水) 23:59:03

ありがとうございました。
ごくごく個人的な感想ばかり連ねている文章を読んでいただき恐縮です。

中沢新一氏の『カイエ・ソバージュ』のシリーズは私も読みました。
ブログのなかでもちょっとだけどこかで触れてような気もします。
チベット仏教に関しては詳しくはありませんが、
まれさんが
>単なる訓練の賜物であって、誰しもが辿り着けるのに
と書かれているように、
最近は仏教の瞑想から宗教色を抜いて方法論にしたものが流行っているようですね。
マインドフルネスと呼ばれるものがそれで、
身体的な技法として重宝されているようです(ちょっと本で読んだだけですが)。

オゾン監督の最新作の情報もありがとうございます。
まれさんの情報からすると、
「カトリック教会の性的虐待事件」を取材する記者たちを描いた
『スポットライト 世紀のスクープ』などを思い出します。
加害者が虐待を認めつつも、
「自分の悪行は決められていたこと」と居直っているというのがただならぬ感じがしますね。

まれ

Date2019.02.23 (土) 08:53:46

お忙しい中、返信、ありがとうございます。Nickさん、「カイエソバージュ」お読みになっていましたか! 私は著者の現在の肩書を知りたくて検索した際、偶然、本の詳細を知ることに。私もチベット仏教には詳しくはないですが、空海も密教を学んで真言宗を開き、今でも続いていることを考えると、何かある!とは思っていました。マインドフルネスというのは、このことを呼ぶのですね?民族ダンスやヨガもある種のトランス状態になるのだろうと思っていたので、苦行せずとも心身のリラックスができる技法が一般に広まるのは良いことですね。健康のため、ヨガや太極拳をやってみたいと思っていますが、怠惰なのでなかなか・・「スポットライト 世紀のスクープ」の感想、拝読しました。

Nick

Date2019.02.24 (日) 17:37:41

『カイエ・ソバージュ』はとても学ぶところが多かったと思います。
マインドフルネスの詳しいところはわかりませんが、
スティーブ・ジョブズが実践していたとかも言われていて、
集中力が増すなどの効果があるのだとか。

>ヨガや太極拳をやってみたいと思っていますが、怠惰なのでなかなか・・

まれさんと同じで日々雑事に忙殺されて難しいです。
関心はないこともないのですが。

まれ

Date2019.02.25 (月) 08:00:02

「カイエソバージュ」。本当に学ぶことが多かったですね。この授業の生徒だったら、絶対試験に合格できると思うくらい理解し、楽めたと思います!
スティーブジョブズ氏も実践されてましたか。普段使っていない脳の領域を活性化させることで、集中力を高められるのかもしれないですね。今は脳波やMRIなどで脳の活動が確認できるので、訓練すれば瞑想スイッチを入れやすいと思います。といって、自分はヨガさえできていませんが・・・Orz 

Nick

Date2019.02.26 (火) 23:03:17

>普段使っていない脳の領域を活性化させる

そういうことみたいですね。
体験したわけじゃないですが、
そこの部分は魅力的に聞こえますね。


まれ

Date2019.03.04 (月) 07:48:35

自分で書いておいてなんですが、魅力的ですよね・笑
集中した時に出る脳波が脳を活性化させるのか、活性化しているから脳波が出るのか、という”コロンブスの卵”に突き当たりますよね。昔、作家さんの「登場人物が勝手に動き出す」って何?と思ってましたが、書いている内に集中し、蓄積された情報の交換が活発になった状態なのだろうと、今は理解してます。
Nickさんも興味深い映画に没頭されたり、感想を書かれている時に体験されているのでは?と思います。しかも、蓄積量が多い人ほど、活性化された時の出来高は大きいと思うと、Jobs氏が実践してたのも頷けます。
集中時の「脳力」に気が付いたものの、自由自在に使えないというのがポイントで、それをコントロールできればアガリでしょうか・・・カギはリラックスなのに必要な時ほどできないという。念仏を唱えるしかないですね・・Orz

Nick

Date2019.03.07 (木) 00:06:14

> 自分で書いておいてなんですが、魅力的ですよね・笑

本当にそう思います。

先日、本屋で見つけた『死とは何か』という本を読んだのですが、
この本はイェール大学の先生が書いた哲学の本で、
なかなか説得的だとは思ったのですが物足りなくも感じました。

まれさんからほかのページにいただいたコメントで「不死の問題」のことを書かれてましたが、
この先生によれば「不死はかえって苦痛だろう」ということになります。

この本の先生は宗教とか超越的なものは排除して物事を考えていきますので、
その論理には納得するほかないのですが、
飛躍がない分ありきたりなものにも思えます。

個人的には宗教とかスピリチュアル的なものも関心は抱いてますが、
いまひとつ嘘くさいものを感じてしまう部分もあります。
その点ではマインドフルネスのようなものは信頼できるようにも感じています。
ぜひともアガリたいとは思いますがなかなか……。
念仏は悪くなさそうです。

まれ

Date2019.03.23 (土) 11:55:39

『死とは何か』気になって、本ではなく、読者コメントをいくつか読みました・笑。やはり腑に落ちた!という方が少ないですね。私的な意見ですが、死生を含めた人生観はとても個人的なことで、ミステリー小説のように著者や探偵が全ての謎を解明し、万人が納得できるような哲学書はないと思います。様々な考えや自分の経験を通し、各々が自分にあった心の在り方を見出す指南書であって、解答集ではないと思って読まないと読了後落胆しがちだと再認識しました・笑 そういう意味では全てを回収しない村上春樹作品も、いつからか一種の哲学書になった気がします。

脳内フロー(スピリチュアル現象と位置付ける人もいますが)をコントロールできる人に宗教は不必要でしょうし、個人でできなくても神の存在等を通してできるなら、宗教も人生を楽にしてくれる1つの方法だと思います。信じるものは救われるや病は気からというのは脳内フローの見地からも本当だと思います。全ては自分次第と思う人は、Jobs氏のように個人で内なる力を出力できるよう鍛錬しますが、そう簡単には・・・。私もそうですが、宗教に頼れない(=信じきれない)人の方が、辛い時は大変になってしまうのが厳しい現実ですね。

前置きが長くなってしまいましたが、いくら不老であっても不死が辛いと思うのは、現在の私達が「不死を知らない」からかもしれないと思いました。小さなことでも何か目標を持ち、その達成に喜びを見出す生き方をしていたら、達成し続けたとしても終わりがないことに疲弊し、絶望を感じるのかもと思っていました。でも、全ての人が終わりのない人生を送る世の中ならば、深く考えず、日々、生活をしていれば良く、格別辛いというわけではないかもしれないですね。ただ病気や食料など面倒なことがある人間での不老不死より、ON/OFFを自由に設定でき、故障しても修理できる痛みのないサイボーグの不老不死なら悪くないかと思う今日この頃です・笑 
 
「人間の身体は遺伝子の単なる乗り物だ」と仰った科学者がいましたが、遺伝子にとっての人間の身体が、人間にとってのサイボーグ的な乗り物なら、人の生死は遺伝子にとってのON/OFFと重なり、人間自体が”不老不死を可能にするサイボーグ”であり、その乗り物であるサイボーグの人間が、今、遺伝子支配から逃れようと別の乗り物を作って不老不死を画策しながらも、支配するAIロボットにいつか支配されることを懸念する人間って滑稽ですね。なんだか回りまわってるループを感じて面白いと思いました。こう考えると生命の誕生は、やはり何かに支配されているのかなと思えてきますね・・・振り出しに戻る。 

たまたま手にした最相葉月氏の「あの頃の未来ー星新一の予言」に長生きより安らかな死をという章があり、星氏は「長生きしても辛いだけ」と超長寿時代に働き続ける会社員の憂鬱を書かれてたようです。職を奪うと懸念されてるAIやVRは、流石の星新一氏も予想されてなかったようで、なんだかちょっと嬉しくなりました。技術革新が人生を楽にしてくれるといいですよね。

Nick

Date2019.03.26 (火) 20:04:59

コメントありがとうございます。

>解答集ではないと思って読まないと読了後落胆しがちだと再認識しました

まったくその通りですね。
「再認識」というところが特にそう思います。
ついつい悪い癖でこういう本に手を出してしまうけれど、
「人それぞれだね」という結論に終わることがほとんどという気がします。

>故障しても修理できる痛みのないサイボーグの不老不死なら悪くない

確かに『アリータ』のようなサイボーグなら、
自分の体の延長として人工物が取り付けられているのだから悪くないのかもしれません。
『死とは何か』では映画『マトリックス』みたいな例も挙げられていて、
その場合は脳に刺激を与えるだけでVR的に現実のような何かを体験できるだけということになり、
それは否定されていたようです。

人間と遺伝子とサイボーグとAIの関係がループしているというのは面白いですね。
振り出しに戻るのではなくてどこかでブレークスルーできればいいと思うのですが。

まれ

Date2019.03.31 (日) 11:41:07

いつも、興味深い返信、ありがとうございます。
ブレークスルーですか・・・ループに身をゆだねるのではなく、逸脱する発想がバベルの塔的で感動しました!夜、眠れない時、「何がブレークスルーなのか?」を考えるとわくわくし、答えは出ないとわかっているので、逆に眠りに入りやすいです・笑 

死についてですが、実は数年前に全身麻酔を受けた時、明るいお花畑にいて、とても気持ちがよかった体験をしました。内視鏡の検査だったので臨死状態だったとは思えませんが、のちにマンガで描かれてた臨死状態で見る光景にそっくりでハッとしました。臨死についての研究では、みんなこのような同じ光景を見るというは、実際、魂(=意識)が肉体を離れた時、痛みも何もなくなり、安らかになるのだろうと考えるようになりました。それが脳内活動のなせる業なのか、本当に魂が肉体を離れ、違うレベルへ行くのかは実際に体験してみるまでわかりませんけれども・笑 それ以来、死を恐れる気持ちはなくなりました。ただ、肉体を離れる前の身体の苦しみはいやですね。

哲学は全くわからない分野なので手を出したことないのですが、振り返ると小説など別の形をとった哲学書を気づかずに読んでいて、哲学ってこういうことか、とあとから気が付きました。なので、あえて哲学書を手に取りませんが、もしも、気付かずに読んでしまった時は、腑に落ちない結論をそのまま放置するか、自分で埋めるしかないと割り切れるようになりました。

そういう意味で、「ブリーダ」は「わからない、でも、夢を追いつづける」という解答と指針が書かれており、哲学書として素晴らしい作品だと思ったんですよね。Nickさんの感想しか読んでいませんが・笑 自分は読まないですが、最初のコメントに書いたように、悩んでいる人に勧めたい一冊だと思ってます! 

Nick

Date2019.04.02 (火) 23:31:58

こちらこそ、いつも丁寧なコメントをいただきありがとうございます。
ループ云々の話のほうがビックリさせられました。
答えの出ないことを考えてるといつの間にかに眠っているような気もしますね。

臨死体験の話はいくつか本で読みましたが、
みんなが似たような光景を見ているというのが不思議ですよね。
私自身はまったく現実的すぎるのかそうした経験を味わったことはありませんが……。

確かに哲学も小説もあまり変わりないような気もします。
多分、小説家は哲学もかじるんでしょうし、
哲学者だって小説からヒントを得ることもあるんでしょうし。
形式的には違いますが同じようなことが書かれているってことはありますよね。
私は昔は小説ばかりだったのですが、
知らないことが多いもので小説以外の本も読むようになりました。

まれ

Date2019.04.08 (月) 01:32:12

ループの方が斬新でしたか!頂いた返信から「悪の法則」を読もうと検索しましたら、リドリー・スコット監督の別作品からページは始まっていたので、読み進めると「コヴェナント」に引っ掛かってしまいました。「宇宙人が人類を造り、人類がアンドロイドを造る」が、私のループ説に似ていて。映画「エイリアン」は割と深い話だったんですね。単純過ぎて、主人公が襲われていて怖いという印象しか残ってません・笑

世に残されているギリシャ彫刻は実は宇宙人の姿で、彼らが自分たちに似せた小型生命体の人間を造った、なんて話もありますね。世界の神話が似ている事実も不思議で、リンクする何かがあるのでは?と思えます。もしそうだとして、では、何のために人間を創造したのかがナゾですね。単なる実験やゲームにしては長過ぎるでのは?という疑問が・・・。彼らにとっての時間の感覚が私達と違うなら、ゲームだとしてもおかしくないのかと思ったり(私はゲーム、しませんが・・・)。でも、ゲームだったら、アバター多過ぎ・笑 実は知らない内に私達は彼らの生活を楽にしているのかもしれませんね・笑
 
臨死光景は麻酔の作用で見た”夢”なので、誰にでも起こる現象だと思います。全身麻酔を受けたのは一度だけではなく、こんな光景を見たのはその時だけで、マンガで気付くまで、気分の良い夢を見た=身体に合った麻酔薬だと思っていました。実際、臨死と似た光景を見たというのは、幻想を見てしまう程、薬が強力だったのかもしれないと考えると、ちょっと怖いですね。他の全身麻酔の際は、夢など一切見ず、目が覚めたら、ただ時間だけが経過してました。

最後に瞑想について。たまたま目に入った「瞑想法」本。ヨガはできなくても「瞑想」ならばと読んでみました。なんと、映画を瞑想の基軸にもできると書いていました。作品にもよりけりで、おすすめは「マトリックス」、「インセプション」、そして「スターウォーズ」。このシリーズ全く観たことがないので、説明もなんとなくしか理解できませんでしたが、映画を沢山ご覧になってるNickさん、これはマインドフルネスへの近道ではないでしょうか!?

本の趣旨とはちょっと違いますが、「瞑想」とは何かを基軸に考えを”想像しながら広げていく”ことと読み取れました。臨場感を伴わないとダメらしいですが、悩みのような囚われてり事象以外の何かを基軸に考えを巡らせる=現実世界から意識が遠のく、と思うと、なんとなく瞑想作用の仕組みが理解できたような気がしました。できる、できないは別ですが・・・。

Nick

Date2019.04.11 (木) 23:42:00

>私のループ説に似ていて

確かに『エイリアン:コヴェナント』はそんな話でしたね。
言われて初めて気がつきました。

「ギリシャ彫刻は実は宇宙人の姿」という説は初めて聞きましたが、
宇宙人とかに地球や人間が操られているという話は、
『タイタンの妖女』などにもあったように、よくある話なのかもしれないですね。
宇宙人のためのゲームでも実験でもそのために地球があるとすれば、
とりあえずは宇宙人にとっては有意義だということになるわけですから。
そんなふうに考えるのも、われわれの人生があまりに意味がなさすぎるように感じられてしまうからでしょうか。

>映画を瞑想の基軸にもできる

そういう瞑想の仕方もあるんですね。
悶々と悩みなどについて考えてしまうよりも、
そっちのほうに想像を広げるほうがいいということでしょうかね。
確かにそんな方法なら取っ付きやすいかもしれないですね。

まれ

Date2019.04.17 (水) 09:20:11

「タイタンの妖女」、そんなお話だったんですね。映画になっているのかとNickさんのサイトで検索をしましたら、「ファーストマン」がヒット。自分が開いていたのはブリーダのコメント欄じゃなかった?と思っていたら、映画の感想にこの小説の記述がありました、回りまわって!
 
小説内の地球人も回りまわって”空虚な英雄趣味と、低俗な茶番と、そして無意味な死”を再発見していて、どんな生き物も、人生の顛末はこれ?と思うと、ガクッと肩の力が抜けました・笑 人生に意味はなく、見出す必要も特にないんですね、本当は。でも、なぜ考えてしまうのか? 「悪の法則」のコメントに書かせて頂きましたが、辛い状況があると、その原因追求をしている内に辿り着く究極の無意味な課題なのかもしれないですね。

以前、チベット密教についてコメントを書きましたが、機会があり、仏教についての軽い本を再読しましたら、著者曰く、チベット密教は超常現象をウリにしている仏教らしく、対して、お釈迦様の悟った「空」とは、その超常現象もまた”幻である”ということらしいです。そこが到達点なら、超常現象を体得するまでもなく、全てが「空」であると考えれば良いのか?とシンプルに思いました・笑 

Nick

Date2019.04.25 (木) 00:05:17

そう言えば『ファースト・マン』のときに『タイタンの妖女』に触れていましたね。
忘れてました。
あの時は作者のヴォネガットが映画に顔を出していたものだから引用したのでした。
自分でも気がつきませんでしたが、あちこちでループしているようです。

仏教の本はよく読むのですが、
先日禅僧の方が書いた『解脱寸前』という新書を読んでいたら、
もはや私は存在しないとか、まもなく解脱するなどと書いてありました。
実はその新書出版後にそれが間違いだったことが判明したらしく、
ウィキペディアによると、
「修行者が陥りがちな魔境の状態になり、もうすぐ解脱出来るという妄想に支配されていた」と懺悔の弁を述べたようです。
真面目に修行している人でさえそんなことになるのかとビックリしました。

まれ

Date2019.04.30 (火) 07:10:50

その方の懺悔、ネットニュースで目にしました。以前、ラジオ番組に出演されてまして、ゆるく生きよう的な本を書いている印象だったのに、その時の”自分の考えに間違いはない”という絶対的な口調に疲れ、相容れないと思いました。解脱と魔境の状態の違いって、なんなんでしょうね?

私が読んだ軽い仏教本の著者は苫米地英人氏です。昔、仏教と脳科学という本を読みましたが、99%仏教のお話で脳科学はスピリチュアルが怪しい時代の代用語という記述のみ。脳科学とスピリチュアルは近いものの、一応、脳領域の活動や脳波という目に見えるデータをもとに研究されてますし、スピリチュアルの代用語のみの記述にタイトル詐欺だと思ってしまいました。

ところが、この本、仏教についての説明が悪くないらしいと知りまして、再読してみようと本棚を探しましたが見つからず。そこで電子書籍で探すと、Kindle Unlimited枠に氏の著書が沢山ありました。ヨガができないので手軽にできる「瞑想」を読んでみたところ、「思考が現実世界をも変えることができる」という魅力的な内容に、どうやって?と、どんどん読み進んでいったものの、最後に「そのためには”技術”が必要」的なことが書いてあり、例としてSony創業者がアイディアを形(Walkman)にし、世界を変えた、と書いてありました。それって・・・話がすり替わってませんか?と思いガッカリしました。この本にも詐欺感を否めず、最初に読んだ印象、あながち間違っていなかった気がしてます。「気功」に詐欺要素はないと信じ、体に良いなら読んでみようと思ってはいます・笑 

Walkmanといえば、今年40周年なのだそうです、知りませんでした。私もSonyがアイディアを形にしたと思っていましたが、アイディアはドイツとブラジルのハーフという男性のもので、彼の絵を見た経済力のあるSonyが、許可なく製品化したとのことで、のちに訴訟を起こし、賠償金をもらったと、先日見たインタビューでいってました。苫米地さん、やっぱり信用できない・笑

Nick

Date2019.05.06 (月) 17:03:17

まれさんも小池龍之介氏のことをご存知でしたか。

>解脱と魔境の状態の違いって、なんなんでしょうね?

まさにそういうことですよね。
解脱だと思ってたら魔境だったってのはよくあることみたいですし、
だからこそ強く戒められているのだと思うのですが……。
今、調べてみると小池龍之介氏は僧侶もやめてしまったようですね。
懺悔して自分の過ちを認めているところには生真面目な修行者らしさを感じます。

苫米地氏の本はちょっと読んでみたことはあります。
脳科学者とか名乗る人にはうさんくさい人もいるような気がしますね。
Walkmanって日本の発明だと思っていました。
実際はちょっと違うんですね。

まれ

Date2019.05.11 (土) 11:19:56

小池龍之介さん、僧侶もやめられたのですか・・・。仰る通り、逆にその潔さが修行者らしくていいですね。

先日、NHKスペシャル「人体」の最新が放送されたので、ネットで調べものをしたところ、92年から94年に放映された人体II「脳と心」という動画が4つ出てきました。観たことがなかったので観てみると、かなり踏み込んだ内容で面白かったです。ナビゲーターが養老孟司”東大教授”と樹木希林さんという豪華版!先ずは希林さんが朗読される谷川俊太郎先生の詩から引き込まれます。どの章も興味深いのですが、中でも「無意識と創造性」では7日間の断食修行をする民間の人達と宮古島で今でも存在するユタと呼ばれるシャーマンの脳波を調べるという大胆な構成は衝撃的でした。サリン事件でオカルトが封印される前にこのテーマを取り上げ、制作していたのが幸いです。

そこで気になったのが、修行(苦行)をすることで脳内麻薬が増えて幻覚を見る=宗教体験をするということは理解したものの、シャーマンは亡くなった方の代弁者だったり、神の啓示を受けたり、神の力で病を治したりするようなので、それは幻覚の範囲なのか?ということでした。これは幻覚というより、”何か”と繋がった状態なのでは?と。そこで、解脱と魔境の違いは、そこなの?と思ったり。解脱=何かと繋がる。魔境=単なる幻覚。
番組は脳内ホルモンによる幻覚の存在を説明し、シャーマンについても右脳が活発に活動しているとし、同レベル的に締めてましたが、私は、シャーマンや修行僧は個人の脳内活動のみではなく、何か(神のような誰かや死後の世界のような異次元の住人?)と繋がっているように見え、もしそうなら、何?という疑問が大いに沸きました・笑  
ご覧になっていなければ、ぜひ、検索して観てみてください。私たちの脳の未知なる力を垣間見れ、どの章も面白かったです。

脳科学者の茂木健一郎先生や中野信子先生の本は”科学的”に立証されたことや心の持ち方を書いていて信用できますが、苫米地さんは僧侶の資格があるせいか精神世界も盛り込んで、立証されていない事象を言葉巧みに信用させようとする記述が逆に信用できないと思います!笑

PS:Walkmanのアイディアを発明した人はAndrea Pavelという人物で77年にSteleobeltなるものを考案し、そのデザイン画は今でもミラノのデザイン博物館に展示されているそうです。英語を含めた海外版Wikiが存在します。発明当初、欧州のメーカーや日本のYamahaにも企画を持ち込んだようですが製造には至らず。ただ、特許は取得していたので、Sonyが79年に発売した翌年、盛田昭夫氏に直談判をし解決しなかったので訴訟を起こしたそうです。2003年、Sonyが推定1000万ドルの賠償金を支払い決着がついたようですが、その年には発明者とされた盛田氏はお亡くなりになっていて、会社が創業者の顔を立てたのかなと思いました。40周年なのに、日本人にとっては嬉しくない事柄も掘り起こされ、記念日も考え物ですね・笑

Nick

Date2019.05.15 (水) 23:58:38

ありがとうございます。

>解脱=何かと繋がる

とはおもしろいですね。
何とつながるのかが問題かもしれませんが……。
神様なのか、あの世の世界なのか。
ユングが言ってたような集合的無意識みたいなものならばあり得るのかもしれません。
といってもユングのことはよく知りません。
ぜひ、今度その番組を見てみたいと思います。

『科学するブッダ 犀の角たち』(佐々木閑)という本によれば、
仏陀の教えが宗教とされたのは、
悟りのプロセスについて確かめようがなかったからで、
科学が進歩した時代となれば、
仏教は「完全に科学的な自己改良システムに変貌する」とのこと。
だとするとやはり脳科学あたりからアプローチすると、
仏教ももっとわかりやすくなるんでしょうね。

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Author:Nick
新作映画(もしくは新作DVD)を中心に、週1本ペースでレビューします。

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