『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』 どこまで高みを目指すの?
監督・脚本は前作と同じクリストファー・マッカリー。

本作は前作を引き継ぐような形となっている。『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』で最後に捕まえた悪役ソロモン・レーンが再登場し、同時にそのレーンの部下という設定で敵か味方かでイーサンを惑わせたイルサ(レベッカ・ファーガソン)というキャラも再登場する。さらに第3作で登場し、第4作でもちょっとだけ顔を出していたイーサンの妻ジュリア(ミシェル・モナハン)まで出てくるのもシリーズのファンには嬉しいところ。
前作の飛行機にしがみつくアクションもすごかったのだけれど、今回はさらにその上を行こうと意気込んでいる。高度7,620メートルからのダイブとか、ヘリにしがみついてみたりとか、これでもかというアクションを堪能させてくれる作品となっている。
さすがに意気込みすぎたのか撮影中に骨折したりもしたトム・クルーズ。実際にその骨折したシーンも劇中に使用されているのだけれど、その後のシーンではちょっと足を引きずっているフリをしているのはファンに向けたサービスということなのだろう。
トム・クルーズはハリウッドを代表するスターであり、誰もが認めるルックスだし、適当に仕事をしてもそれなりに地位を維持できそうなものだけれど、それでは自分が納得いかないのかすべてのアクションを自分でこなし、ヘリまで自ら操縦するというプロ意識にはすさまじいものがある。

ヘリで吊るされたりとか、ビルの間を飛び越えたりとか、バイクでパリの街中を逆走したりする危なっかしいアクションは製作陣としてはヒヤヒヤものだろうとも思えるけれど、トム・クルーズ本人がプロデュースも兼ねているからか気の済むまで徹底的にやっているようで、2時間半の長丁場もほとんど感じさせないほど盛りだくさんの内容になっている。
どのアクションも見応えがあったのだけれど、前半のトイレ内での格闘が一番だろうか。このシーンではイーサン・ハントとウォーカー(ヘンリー・カヴィル)がジョン・ラークとされる男と闘うことになるのだが、ラークとされるアジア系の役者の動きがすごくて、2人を相手に立ち回りを演じて圧倒するのだ(一体この役者さんは誰だったのだろうか?)。
こうなるとアクション俳優としてトム・クルーズに足りないのはカンフーの技術なのかもしれない。それさえマスターすればジャッキー・チェンになれるかも……。とはいえジャッキー・チェンはカンフーではトム・クルーズに負けないけれど、あのドタバタとした走り方はちょっとこのシリーズには合わないかもしれない。
本作でもトム・クルーズは敵を捕まえるために全力疾走を披露しているのだが、走る姿がここまで絵になる人もなかなかいないんじゃないかと思う。CGばかりの映画が増えているなかでトム・クルーズは貴重な存在なのかもしれない。アクション映画好きには見逃せない1本。
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この記事へのコメント:
ダメカニック
Date2018.08.08 (水) 19:29:53
絵になりますよね!
めちゃくちゃ速そうで綺麗なフォームで!
Nick
Date2018.08.10 (金) 18:51:25
見せ場として意識してるんでしょうね。
「あの年齢で」ってところにも驚かされます。
onscreen
Date2018.09.16 (日) 09:52:47
アクションといい脱帽です。
Nick
Date2018.09.17 (月) 09:53:33
胃もたれしそうなくらいに長いんですが、
何だかんだと楽しめました。