FC2ブログ

『二十六夜待ち』 月に願いを

 監督は『アレノ』『海辺の生と死』越川道夫
 原作は佐伯一麦の同名短編(『光の闇』所収)。

越川道夫 『二十六夜待ち』 杉谷(井浦新)と由美(黒川芽以)のふたり。


 震災ですべてを失った由美(黒川芽以)は叔母(天衣織女)のもとに身を寄せる。まだ若いのに引きこもりがちな由美のことを気にかける叔母の言葉もあり、外で働くことにした由美は小料理屋での仕事を見つける。物静かな店主の杉谷(井浦新)はかつて記憶を失い、身体が覚えていた料理の腕でその店を営んでいた。

 過去を失い自らの存在をつかみかねている孤独な男と、震災の忌まわしい記憶を忘れたいと考えている女。心に傷を負っているふたりが出会い惹かれていく。というよりも共に傷を負っているからこそ寄り添うことができるということだろうか。
 タイトルの「二十六夜待ち」は、江戸時代の風習。今でも十五夜とか十三夜を愛でる風習は有名だが、かつては二十六夜にも月見が行われていたのだとか。そして、二十六夜の際には阿弥陀、観音、勢至菩薩の三尊が現れると言われていたのだという。三尊にすがるように、男は女に、女は男に、すがるような関係性が描かれていく。
 『アレノ』でも濃密な濡れ場が印象的だったのだが、この作品も何度も繰り返される濡れ場を長回しで描いていく(黒川芽以の脱ぎっぷりは控え目)。最初の唐突とも思える絡みから始まり、次第に関係性が深まっていくということになる。ただ、その繰り返しにそれほどのバリエーションがあるということもないところが惜しい気がする。ほとんど会話らしい会話もないのに、ふたりが小料理屋のカウンターのなかに並ぶととても雰囲気がよかったので、そこまで濡れ場に拘らなくてもよかったんじゃないかという気もするのだが……。

二十六夜待ち [DVD]


光の闇 (扶桑社BOOKS)


関連記事
スポンサーサイト
Date: 2018.01.12 Category: 日本映画 Comments (0) Trackbacks (0)

この記事へのコメント:


管理人のみ通知 :

トラックバック:


プロフィール

Nick

Author:Nick
新作映画(もしくは新作DVD)を中心に、週1本ペースでレビューします。

最新記事
最新トラックバック
最新コメント
月別アーカイブ
08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03 
カテゴリ
カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

タグクラウド

広告



検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
このブログをリンクに追加する
Powered By FC2ブログ


ブログランキングに参加しました。

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

QRコード
QR