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『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』 「彫刻の森美術館」で会いましょう

 『ポネット』などのジャック・ドワイヨン監督(『少女ファニーと運命の旅』のローラ・ドワイヨンのお父さん)の最新作。
 今年の11月に没後100年を迎えたという“近代彫刻の父”オーギュスト・ロダンの半生を描いた作品。

ジャック・ドワイヨン 『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』 ロダン(ヴァンサン・ランドン)のアトリエのシーン。陰影に富んだ撮影が印象的。

 誰でも知っている「考える人」などを製作したロダンの話。邦題では弟子であり愛人でもあったカミーユ(イジア・イジュラン)との関係がクローズアップされているようにも映るけれど、主役はロダン(ヴァンサン・ランドン)である。
 わざわざカミーユの名前が副題につけられているのは、1988年の『カミーユ・クローデル』(イザベル・アジャーニ主演)が映画ファンにはよく知られているからだろう。この『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』でも、カミーユとの関係はやはり重要なエピソードとはなっているけれど、カミーユが精神状態を崩してロダンの人生からフェイドアウトしていったあともロダンの人生は続いていく。
 『カミーユ・クローデル』で描かれたカミーユの生涯がドラマチックな展開をするのに比べると、ロダンの実生活は意外と普通なのかもしれない(女性関係は派手だったようだけれど)。カミーユが全身全霊を込めて彫刻とロダンとの関係に燃え尽きてしまったのとは対照的に、ロダンはカミーユと共に芸術に打ち込みつつも、内妻であるローズ(セヴリーヌ・カネル)とは平穏な生活を送っているようにも見えて、ロダンのズルささえも感じられる。芸術の名の下にそれは免罪されるということなのだろう。
 「ユーゴー像」製作のエピソードでは、ポーズをとることを嫌うユーゴーに対し、ユーゴー宅に居候してまで製作するとか具体的なエピソードはなかなかおもしろい。「バルザック像」の7年もの製作過程も、ロダンの彫刻作品に詳しい人が見ればさらに楽しめる内容を含んでいるのかもしれないとは思うのだけれど、エピソードにあまりつながりはなく伝記的事実の羅列に終わっているようにも……。陰影に富んだアトリエ場面の撮影は良かったと思う。

 なぜか最後は箱根の「彫刻の森美術館」で締めくくられる。ロダンの彫刻が世界中に広まっているということ証しなのかもしれない。ラストシーンでは「バルザック像」が箱根の森の緑のなかに据えられており、その向こうの空には「人とペガサス」という像が捉えられている。「人とペガサス」はロダンの助手であったカール・ミレスという彫刻家の作品で、個人的にちょっとは思い入れがある彫刻でもあったので、意外なところでロダンとつながりを感じたりもした。

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ジャック・ドワイヨンの作品
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Date: 2017.11.19 Category: 外国映画 Comments (0) Trackbacks (1)

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>>ロダン カミーユと永遠のアトリエ from 象のロケット
1880年、フランス。 彫刻家ロダンは、ダンテの「神曲」を題材にした「地獄の門」の制作に取り組んでいたが、制作は思うように進まない。 そんな彼の心の支えとなったのは、若く美しく優秀な弟子の女性カミーユ・クローデルだった。 しかし、ロダンの内縁の妻ローズの存在が、カミーユを悩ませる…。 近代彫刻の父オーギュスト・ロダンの半生。 >READ

2017.11.22

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