『ライフ』 カルビンによる殺人劇場
キャスト陣はジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズなどと結構豪華で、真田広之も顔を出している。

火星で採取された地球外生命体の細胞を宇宙ステーションで調査するうちに、その生命体が成長して人間を襲うようになるというSF作品。
漂流状態にある宇宙船をキャッチするミッションを長回しで捉えるという『ゼロ・グラビティ』的なノリから始まって、成長した生命体が人間を襲うようになると『エイリアン』的な怖さを感じさせる。ただ“カルビン”と名付けられた生命体の造形は安っぽい。成長した姿がどことなくタコっぽいのは、由緒正しい火星人の姿に引っ張られているのかもしれない。この場合、“人”とは到底思えないけれど……。
作品のほとんどが宇宙船内の話で無重力状態のまま展開していくあたりには金がかかっているように見えるのだけれど、物語はかなり古臭いB級テイスト。それなりに名前の知られたキャスト陣が集まっているのがかえって不思議に感じられるくらいだった。
見どころはカルビンによってクルーたちがひとりひとりと殺されていくところ。ライアン・レイノルズは早々にやられてしまうのだけれど、その死に方が凄まじかった。絶体絶命の人間たちは自分を犠牲にしても、その生命体を地球に持ち込むことだけは避けなければならない。そのために検疫官のような役目の人物がいるというのはリアルなのだけれど、全体的なつくりは雑と言えば雑。
ラストのオチは個人的には好み。主人公デビッド(ジェイク・ギレンホール)の「80億人のバカが暮らすところに戻りたくない」という台詞が意味深なものにも感じられなくもない。
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