『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』 普通の映画ファンとしての感想

 『スター・ウォーズ』シリーズの外伝と位置づけられる作品。
 監督は『GODZILLA ゴジラ』などのギャレス・エドワーズ

ギャレス・エドワーズ 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』 主人公ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)とローグ・ワンの面々。

 最初に公開された『スター・ウォーズ』エピソード4は、デス・スターの設計図をR2-D2が反乱軍側にもたらすところからスタートしている。冒頭の字幕でも「反乱軍が設計図を盗み出し……」といったことが説明されるわけだけれど、今回の外伝『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』はまさにその部分の映画化となっている。
 外伝とはいえダース・ベイダーが登場して大暴れする場面もあるし、最後にはきれいにエピソード4へとつながっていくことになり、『スター・ウォーズ』サーガの壮大さを感じさせる物語になっていたと思う。

 エピソード4はデス・スターの弱点部分にルークの弾が当たるか当たらないかというラストがハラハラさせられた。子ども心にも単純なのが楽しかった。しかし、今になって考えてみると「弱点部分に一発当たればすべてが破壊されるってどうなの?」というツッコミは一部からはあったのかもしれない。
 この作品はそんなツッコミに対する回答にもなっている。もともと考えられていた設定なのか否かはわからないけれど、エピソード4のツッコミどころを解消させるためにさらに1本外伝をつくってしまうというのだから何とも贅沢な作品だ。

 この作品の主人公ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)は科学者ゲイリン・アーソ(マッツ・ミケルセン)の娘。ゲイリンは帝国軍につかまってデス・スター開発に無理やり協力させられることになる。ゲイリンは自分がそれを拒否しても誰かが開発することになるのを見越して、自らが開発にたずさわることでデス・スター内部に重大な弱点を仕込むことを決意する。ジンは父親が帝国軍側に寝返ったと考えていたわけだが、やがて父親の真意を知ることになり、反乱軍たちと共にデス・スターの設計図を奪うという不可能な作戦に命を賭けることになる。

 ※ 以下、ネタバレもあり!

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』 ドロイドのK-2SOは思ったことをすぐ口に出してしまう愛らしいキャラ。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』 最後の戦いの舞台は南の島みたいな雰囲気。

 前半は新しい登場人物の紹介もあってもたついた印象。反乱軍も一枚岩ではないらしく、反乱軍内部でのいざこざもあったりするからだ。それでもそんなならず者(ローグ)たちが大義のために戦いに挑むことになる後半はやはり楽しめる。2時間14分という時間もあまり長くは感じなかった。
 この作品は最後にレイア姫が登場してきれいにエピソード4へとつながるわけだけれど、『ローグ・ワン』のならず者たちは誰一人エピソード4には顔を出さない。というのは作戦遂行のために全員が命を落とすことになるからだ。これは『スター・ウォーズ』の正編では到底無理な展開だし、次のエピソード4の副題が「新たなる希望」となっていて、その後の展開に希望があるからこそできたラストなのだろうと思う。
 しかし、そんな悲惨な展開の割にはそれぞれの死に方があっさりしすぎている感じも残った。一番壮絶だったのはドロイドのK-2SOで、このキャラはこの作品のなかでも最も愛らしいキャラなのだが、それが身を挺してジンたちを守ることになる。これが可能なのはK-2SOがロボットだからで、全体的には戦争映画になっているにも関わらず人を傷つける描写を回避しているのだ。
 ソウ・ゲレラ(フォレスト・ウィテカー)はあっさり消え、ゲイリンも反乱軍の爆撃に倒れたまま息絶える。チアルート(ドニー・イェン)とベイズ(チアン・ウェン)が「フォースと共にあらんことを」と念仏のように唱えつつ死んでいく部分はマシだったとはいえ、ジンとキャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)がどこかのディザスター映画で見たようなきれいな最期だったのにはちょっと違和感があった。外伝だからとはいえ自由にはつくれないのだろうとは思うのだけれど……。

追記:このレビューをアップした後に、「『スター・ウォーズ』シリーズは血が流れないことになっている」という記事をどこかで読んだ。言われてみれば確かにそうで、オビ=ワン・ケノービなどはなぜか消失してしまったりもするくらいで、登場人物が死んでも血は流れない。だからエピソード7で血が描かれたときはファンの間では話題となったらしい。
 それでもエピソード5では、ルークの腕を切り落としたり(ここでも血は出ない)、動物の腹を割いたりするシーンなんかもあったわけで、今回の『ローグ・ワン』は全員死んでしまうという話なのに遠慮しているような気もする。

 今回はフォースを使うジェダイたちは登場しない。フォース自体が伝説みたいなものとなっている。だからジェダイたちが使うライトセーバーも出てこない(ダース・ベイダーは例外だけど)わけで、その代わりにフォースの存在を信じる盲目の僧侶チアルートが登場する。
 チアルートを演じるのはドニー・イェンで、『イップ・マン 序章』などでブルース・リーの師匠を演じていた人だけに、武術の腕前だけで帝国軍の敵たちをあっという間になぎ倒す場面が見どころとなっている。このチアルートの相棒がベイズで、これを演じるのはチアン・ウェン『さらば復讐の狼たちよ』などでは監督も)。これらのキャラは中国の観客への目配せなのだと思うが、それでもふたりがかなりおいしいところを持っていったのも確かだと思う。
 主人公のジンを演じたフェリシティ・ジョーンズは、『インフェルノ』などでもゴージャスな美人さんといった印象で、この作品のように泥だらけになって動き回る役柄にはまっていたようには見えなかった。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の女主人公レイが元気に走り回っていただけにそんなことも感じた。
 以上はごく普通の映画ファンとしての感想であって、多分『スター・ウォーズ』が特別に大好きというマニアの人は別の見方があるのかもしれない。様々なメカとか、新しい惑星の造形とか、そうした細かい部分に関してマニアックな人が見るべきところは多いんだろうと思う。

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『スター・ウォーズ』シリーズ作品
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Date: 2016.12.17 Category: 外国映画 Comments (0) Trackbacks (22)

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