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『緑はよみがえる』 緑なき白銀の世界

 『木靴の樹』エルマンノ・オルミ監督の最新作。
 この『緑はよみがえる』に合わせて『木靴の樹』のほうも全国で順次再映されているとのこと。

エルマンノ・オルミ 『緑はよみがえる』 色彩を消したような白銀の世界が続く。


 1917年のイタリア。白銀の雪に埋もれるような塹壕でイタリア軍兵士たちはオーストリア軍と対峙している。敵の姿は見えないが遠くから砲弾の音は聞こえる。司令部からは現地を知らない無茶の命令が届き、塹壕のなかの兵士たちは困惑するのだが……。

 戦争を描いた映画だが、戦闘シーンはほとんどない。それでもオペラ好きのイタリア人が朗々と声を響かせるなどしているうちに、いつの間にか戦火は近づいてきている。司令部からの命令に従って塹壕を出て雪のなかを進もうとすると、次の瞬間、どこからか銃撃されて一歩も進むことができない。次第に砲弾の音は近づきつつあり、塹壕の兵士たちは追い詰められていく。
 とても静かな映画で、演出に派手なところはない。昼間は白銀の世界、夜になると月明かりで辺り一面は幻想的に染められ、最後まで色を消したような映像が続く。これは最後のほうで引用される第一次大戦のものと思わしきモノクロの記録フィルムとシームレスにつながっていく。そんななかで月明かりに浮かび上がるカラマツが黄金色に色づく場面はとても印象的だった(題名にあるような緑はほとんど感じられない)。
 あまり目立たない主人公らしき男は「人が人を赦せなければ人間とは何なのでしょうか」と訴えかける。その訴えは真っ当なのだけれど、イタリア軍が赦すべきオーストリア軍の顔は見えないわけで、何を赦せばいいのかはよくわからないというのが正直なところ。実際の戦争は敵の姿など見えず、自分たちを追い込む司令部は伝令だけにしかその正体を見せず、わけがわからないまま兵士たちは死んでいったということなのかもしれない。
 ただ物語としてはドラマチックな部分に欠ける。ミニマリズムに徹っして塹壕のなかの兵士たちのやりとりに終始しているために、いかにも単調だったという感は否めない。76分という上映時間にも関わらず、そんなふうに感じてしまった。『木靴の樹』は3時間以上の映画だったにも関わらず一時も退屈するときがなかったと記憶しているのだが……。とりあえず、一部で現在公開中の『木靴の樹』は誰にでもお薦めできる作品であることは間違いないとだけは言えると思う。




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Date: 2016.05.07 Category: 外国映画 Comments (16) Trackbacks (3)

この記事へのコメント:

まれ

Date2019.07.24 (水) 10:33:33

オルミ監督の「木靴の樹」は、ネットで検索したおすすめ映画100選に入っており、「ニューシネマパラダイス」を彷彿させるような心温まる映画だと思い借りてみましたら、まさかの3時間。でも、当時のイタリアの市井の暮らしがリアルに再現されているようで、ドキュメンタリーを観ている錯覚に陥りながらも、善良で貧しい小作農が地主の横暴に苦しめられていた歴史も垣間見れ、とても面白かったです。地主と小作農というとブログで取り上げられていた「幸福なラザロ」を思い出しました。

借りたDVDは3枚組で、監督の初期作品「定職」と「時間は止まった(直訳)」も観ました。どちらも、20世紀半ばのイタリアの様子が垣間見れると共に、心の機微を扱う物語が心地よく、「聖なる伝説の酔っぱらい」、「婚約者たち」も続けて鑑賞。「婚約者たち」はミラノに婚約者を置いてシチリアへ赴任する男性が主人公なのですが、彼と婚約者の物語より、当時のシチリアの様子が興味深かかったです 笑 次は2000年以降の監督作品を借りようと思っています。この3枚組DVDには亡くなる数年前のインタビューも入っていて、「映画は作りものだが、その作りものを通して、現実における気付きを得ることができる」と仰っていて、映画は一種の現実逃避的なものだと思っていたのに、久々に映画を数本観て、作り話から、実生活を振り返る時が多々あり、監督、仰る通りです!と思いました 笑 

ただ、20世紀半ばの作品は、時代が求めている作品ではなかったとも仰っていて、確かに、最新技術が生活を豊かにしていた時代のエネルギー量を考えると、ちょっと合っていなかったかもしれませんね。
監督の映画が好きなのは、作品の素朴さと人生哲学的な部分だとすると、最新技術で豊かになりつつある時代より、先端技術が豊さの向こう側へ行ってしまった今の方が、何か響くものを感じます。一周回って的な感じかもしれませんね。

Nick

Date2019.07.29 (月) 21:06:18

エルマンノ・オルミの初期作品を観る機会などなかなかなさそうです。
近くのレンタル屋さんにはオルミ作品などまったくなさそうだし。

『木靴の樹』も確か名画座みたいなところで観たように記憶してます。
出ている人たちも役者ではなく素人だったみたいですし、
豚を処理する場面があったように記憶してます。
今では動物は傷つけてませんと注釈を入れるところですが、
実際にはみんなそうやって食べてるわけですからね。

ひとりの気に入った監督の作品を制覇していくのもいいですね。
もう亡くなってしまった監督の場合は、
すでにフィルモグラフィーが完結しているわけで一気に観ることもできますし。

まれ

Date2019.08.03 (土) 08:48:38

偶然にも監督の初期作品をまとめて観る機会を得、ラッキーでした。海外における黒澤、小津とも違うジャンルで、ヴィスコンティやフェリーニとはかけ離れた作風とご本人も仰っていただけに、海外でもDVDを買わないと観れない作品かもしれませんね。

豚の解体シーン。まさか撮影し続けるとは思っていなかったので、衝撃的でした。実際、こうやって食料や皮革などを確保し、暮らしていたのかと思うと、興味の尽きない作品です。が、実はすべて演出ありきのフィクションなんですよね。あのリアリティは凄いですね。当時の暮らしを知る人達を配役していた感じもするので、映画撮影という意識がなかったような感じもしますね。3時間と聞くと腰が引けるので、”名作”を観るつもりで鑑賞すると楽しめる作品ではないかと思いました。いつか、モードやワイン、世界遺産とは関係なかったイタリアを観る機会があるといいですね。

Nick

Date2019.08.06 (火) 00:26:51

イタリアどころかほとんど日本を出たことがない人間なので。
まあ映画はその代わりになっているのかもしれません。

>DVDを買わないと観れない
そうなんですよね。
買えば観られるんですが余裕もないので仕方ないです。
ソフトは置き場所も困りますし、
その意味でもネット配信は重宝します。
先日はU-NEXTでヴィスコンティの「若者のすべて」を観ていたく感動しました。
この作品も3時間近くもありますが一気に観てしまいました。

まれ

Date2019.08.06 (火) 12:18:29

世界的な海外旅行ブームで、どこへ行っても人が多く、映画で見るような”美しさ”や”異国情緒”を堪能するのは、今は難しくなっている気がします。日本でも、もう、京都へ行く気はしませんし。その点、映画は時間も空間も超えて、鑑賞後もあれこれ考えたり、気になった事を調べたり、少ない労力(!?)で大きな満足が得られますね。ネット配信となると、省エネすらおこがましいくらい、エネルギー使わないので、ありがたいです 笑

DVDは気に入った作品のみ買いますが、気に入るか否かは観てみないとわからないから、ネット配信は本当に映画鑑賞のハードルを一気に下げてくれましたね。 

ヴィスコンティは遠い昔、「ヴェニスに死す」をテレビで観て、”おっさんがひたすら美少年を追いかけ、死んでしまう”映画、としか理解できず、以来、この監督作品の良さがわからないと興味を持てず、その後、映画からも遠のいてしまいました。Wikiを読むと、今なら観てみたいと思う作品が多いです。「ヴェニスに死す」に関しては、数年前に友人と話をした際、あの映画は「美と醜、若さと老い」を描いているといわれ、目からウロコでした 笑 イタリア映画三昧をしていると、必ず目に入る監督(当たり前)で、Nickさんが感動したと仰るならば、ネット配信で観れる作品、探してみようと思います。巨匠作品へのお誘い、ありがとうごさいましたm(__)m

Nick

Date2019.08.10 (土) 10:43:15

「ヴェニスに死す」は確かにストーカーみたいな話だったかもしれません。
ヴィスコンティの作品はいつも二枚目が出てるような気もしますが、
「若者のすべて」はアラン・ドロンがそうした役回りでした。
個人的に「太陽がいっぱい」や「冒険者たち」が大好きなので、
アラン・ドロンが出ているだけで点数アップする面があると思います。
もちろん映画として素晴らしかったわけですが。

まれ

Date2019.08.14 (水) 08:20:03

ヴィスコンティの「若者のすべて」、早速鑑賞しました。残念ながら未だに残る南北格差を軸に、イタリアの高度成長期が垣間見れ、とても面白かったです。アラン・ドロンをはじめ、俳優の半分以上が仏人というのも意外でした。麗しい頃のドロンやシチリア島が舞台だった「太陽がいっぱい」を再度観たいと思っていたので、この映画に若き日のドロンが出演していて驚きました。
原題が「ロッコとその兄弟たち」というだけあり、ドロンは2番手みたいな雰囲気で登場しますが、着用しているセーターもおしゃれで、聖人のような人柄。明らかに主役はドロンでしたね。監督作品には必ず二枚目が出演していると知ると、監督の職権乱用が目に付いてしまい、素直に作品を観れなくなりました 笑 どの監督にもミューズがいたりしますが、それがリアルな美少・青年となると、ちょっと生々しい感じが・・・笑 

ストーリーは様々な事件が勃発し、3時間があっと言う間でした。感動したか?と問われると、複雑な映画やドラマに慣れてしまったせいか、映画というより、テレビドラマを観たような軽い印象です。でも、振り返ると、スキャンダラスな事件のてんこ盛りで、貧困、差別、売春、暴力は身近なことだったのか、それとも、監督のような有産階級への問題提起だったのか気になりました。「山猫」は搾取される漁民の話というので、「若者のすべて」も社会派映画なのかもしれませんね。中でも気になったのは、後に有名になる仏俳優扮する(元)プロボクサーのモリーニにシモーネが身を売る(であろう)シーン。LGBTはここ数年、映像にも普通に登場するどころか人気のテーマになっていますが、まさか、あの時代の映画で男娼(!?)が描かれているとは意外で、でも、映像からはその雰囲気が溢れており、海外サイトへ調査の手を伸ばしてしまいました 笑 本国イタリアWikiに”アル中で放蕩生活を送り、モリーニ相手に身を売った”と明記されてました。「ヴェニスに死す」も美少年に魅了された作家のお話で、AIDS問題もなかったあの頃は、売春婦も男娼もタブーではなかったのかもしれませんね。
この映画を通して、アラン・ドロンの麗しさを再認識しましたが、偶然にも、先週、脳溢血の手術を受け、現在、スイスの(療養)病院に入院中というニュースを読み、気になっていましたら、赤いラコステのポロシャツを着たドロンの写真を子供たちがSNSで公開し、快復に向かっているようでホッとしました。数年前に引退されましたが、悠々自適な生活を送っているのだろうと思っていた矢先だったので、とても驚きました。今更ですが、後にも先にもドロンのような美青年はなかなか見ない気がします。どのような血筋なのだろうと気になりましたが、パリ郊外で出生のみで、ご両親の血筋の記載はありませんでした。遺伝的に濃色の髪に青い目は珍しく、彫刻のような顔と肢体はヴィスコンティのお気に入りとなり、世界を席巻したのも納得です。ドロンは今後、何か計画を立てている(くらい元気)と子供がメッセージを書いていたので、是枝監督の最新作にドヌーヴの元夫か恋人役ででも出てもらいたかったですね。ドロンは日本で超有名なのでもしかしたら、写真出演くらいはしてるかもしれませんね!

なぜか感動に辿り着けなかった「若者のすべて」。いつかレビューを書いていただけたらと願っていますm(__)m

Nick

Date2019.08.20 (火) 00:31:39

さっそく観ていただいたとはありがとうございます。
感想としてはいまひとつというところだったようですが……。

>搾取される漁民の話
というのは、もしかしたら「揺れる大地」のことでしょうか。
「揺れる大地」は観ていないのですが、
「山猫」は豪華絢爛な貴族の話でしたから。

ヴィスコンティ自身も貴族だったようですが、
初期の作品では貧しい人々に焦点を当てているのが意外でした。

ヴィスコンティの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」でも、
ポー川沿いの食堂が舞台になっていました(これも最近観たばかりです)。
ポー川というのはミケランジェロ・アントニオーニが「ポー川の人々」という短編ドキュメンタリーを撮ってますが、
貧しい人々が住む地域というイメージでした。
そう言えば、エルマンノ・オルミにも『ポー川のひかり』という作品があるようですね。
イタリア人にとっては思い入れのある川なんでしょうかね。
ヴィスコンティは後期のものしか見ていなかったので、
初期に自分とは縁遠いだろう貧しい人々の話を撮っているのを初めて知りました。

>監督の職権乱用
多分にあることなんでしょうね、映画界には。
好きなように映画を撮れるほど力を持った監督は、
自分のお気に入りの役者を使うこともできるわけですからね。

>モリーニにシモーネが身を売る(であろう)シーン
そこまでは読み取れませんでした。
ふたりが近づくところはあったように思いますが。
というか現実に「モリーニ相手に身を売った」という話があったとは。
ちょっとビックリする裏話ですね。

今はU-NEXTをやめてしまったのですが、
「若者のすべて」についてはもう一度観てみたいですね。
その時に機会があれば何か書きたいと思います。

まれ

Date2019.10.21 (月) 05:14:54

Nickさんのご指摘のお陰で、「山猫」と「揺れる大地」を観ました。

没落貴族の話などに興味が全くなかったのですが、あらすじをしっかり読むと、なんと、シチリア貴族が書いた自伝小説を、貴族であるヴィスコンティ監督が”現地のシチリアにて撮影”という魅力的過ぎる内容で、同じシチリアを舞台にした搾取される漁民の「揺れる大地」と共に、早速鑑賞しました。

ヴィスコンティ監督は共産党に傾倒していた時期もあったようで、「若者のすべて」もそうであるように、社会派映画も撮っていたんですね。私の中では、この監督の作品は「ヴェニスに死す」で終了(笑)していたので、お陰様で素晴らしい作品が見られましたm(__)m

「山猫」はシチリア貴族の暮らしぶりや、撮影当時の風景が興味深く、「揺れる大地」も当時の貧乏過ぎる彼らの生活が壮絶で、ある意味ドキュメンタリー的に観てしまいますが、実際、ドキュメンタリーなのだろうと思っています。「揺れる大地」の出演者は全て地元の人というのにも驚きました。「15時17分パリ行き」と一緒で、素人でも演技ができるものなんですね。意外なラストでしたが、団結することの大切さを問うものならば、納得できるお話でした。

オルミ監督の「ポー川の人々」、「緑はよみがえる」を借りようと思っていましたが、残念ながら、ご近所のDVD店にはありませんでした。

しかしながら、”戦争のお話”と記憶してDVD店へ行きまして、らしき作品を借りてきましたら、別の作品で、ガッカリしましたが、観てみると、私の好きなルネサンス時代の実話ベースの映画で、間違って正解!と思いました 笑 

借りたのは「ジョヴァンニ」でして、黒隊長として有名なメディチ家出身、教皇軍の傭兵隊長が、対する皇帝軍が使った最新の大砲にて脚を負傷。脚を切断するも、数日後に亡くなってしまい、彼の死を悼んだ貴族たち?は”今後、戦いにて、大量破壊兵器を人間に向けて使ってはいけない”という協定が結ばれたそうです。

皇帝軍はポー川を渡らずにはローマへ侵攻できない為、攻防戦はポー川付近のマントヴァでした。そこで知りましたが、この川は、アルプス山脈を源流に、ポー平野を通り、北イタリアを横断し、なんとアドリア海にまで注いでいました。その長さや地形から、貧乏人でも恩恵を受けれる川ということかもしれませんね、感動しました。

そして「ジョヴァンニ」で大変驚かされたのは、ボーナストラックにて、主人公を演じたブルガリア人の俳優が、”素晴らしい作品で、未だに役が抜けない”と半ば放心状態でインタビューは始まり、中盤過ぎで、”脚を本当に切られ、痛みが5か月続いた”、と答えていて、リアリティを追求される監督とはいえ、流石に・・・。後年、ギランバレー症候群に苦しんでおり、そんな状況下での作品への思い入れが激しすぎたのか・・・。

映画を観ていた時はシーツの上に寝ていたので、シーツに穴を開け、膝下がないように撮影しているものとばかり。インタビュー後、まともに見れなかった切断シーンと、切断後を見直してみましたら、切断のシーンはぼやけているものの、画面上部、寝ているジョヴァンニの頭部から撮影しており、膝から下が右方向へ離れていくのがわかりました。でも、脚を曲げて、偽物の脚を離していけば、同じシーンが撮れると考えると、インタビュー中、”ジョークです”という文はありませんでしたが、リアリティ追求のオルミ監督のリアリティな”冗談だと思いたいです。2001年の作品ですから、周りのスタッフも止めたと思うんですよね・・・。

冬場の遠征で、殺したばかりの馬の太もも部分を剣で切り取り、肉を焼いて食べるシーンがありまして、切った部分から湯気が出ており、これは、特撮ではなく、本物だと思いました。ただ、撮影に都合よく死んだのかどうかは・・・。

全編ブルガリア撮影で、とにかく、監督のこだわりが半端なく、でも、ブルガリアにはルネサンス後期に存在していたような古い素材や職人も多く残っていて、イタリアで撮影するよりも数段良い物が手に入ったとか。皇帝軍は現地の軍人を200人借りたそうで、皇帝軍(=ドイツ人)らしく、統率された軍隊を撮影できたそうです。彼らのプライドなのか、規律なのか、汚れた鎧を持ち帰った軍人達が、翌朝ピカピカに磨いて来てしまい、撮影前に汚す手間がかかったと、衣装担当の女性が笑っていました。本当に切断してたら、と思うと、オルミ監督作品、もう、観たくないという気持ちになりましたが、多分、悪い冗談だと解釈しておきます。

PS:「若者たち」の身売りシーン。もともと、モリーニのシモーネへの”熱い視線”が気になっていまして、その夜、モリーニ邸に、テレビのような機械?があり、ルネサンス的な絵画などがスライドショーで流れていまして、古代ギリシャ・ローマでは成人男性と少年のカップルは一般的で、ルネサンスはその時代の文化復興と思うと、間違いなくシモーネはお金欲しさに身売りしてたと言えます。AIDSが問題になる前の、穏やかな?時代だったということですかね・・・。

Nick

Date2019.11.01 (金) 01:39:47

「山猫」もシチリアが舞台だったんですね。忘れてました。
もうだいぶ前に都内の小さな映画館で立ち見で観た記憶があります。
屋敷内のシーンが豪華だったことだけは覚えています。
ヴィスコンティ自身も貴族だったようですし、
本物の貴族の屋敷を使っているんでしょうね。

「ジョヴァンニ」はオルミ監督の作品ですね。
まさか本当に足を切り落とすことはないかと思いますが怖いエピソードですね。
その恐怖が出演者にも病を引き起こしてしまったということでしょうか。
これまた日本では観ることが難しそうな作品ですね。

「若者のすべて」の男娼を仄めかすシーン(?)に関してですが、
なるほど言われてみれば妙なシーンだったと思い出しました。
あのシーンで意味ありげに絵画の映像が映されていたのは印象に残っていますが、
それが何を意味するのかはわかりませんでした。
鋭いご指摘ありがとうございました。

そう言えば「太陽がいっぱい」が日本で公開された頃、
あれを同性愛の映画だと指摘したのは淀川さんくらいだったようですね。
今では原作も翻訳されているし、
同じ原作をもとにした「リプリー」では同性愛的要素がもっと前面に出ていましたし、
「太陽がいっぱい」にもそれを読み込むのは難しくはないのかもしれませんが、
当時は珍しい指摘だったようですね。
映画を観ていると「あれっ」と不思議に感じるシーンがあったりしても、
スルーしてしまう場合も多いですが、
本当は監督など製作陣がわかる人にはわかるような何かを詰め込んでいるのでしょうね。

まれ

Date2019.11.11 (月) 11:45:13

「ジョヴァンニ」の俳優フリスト・ジフコフさん、その後、別作品に出演されていたので、オルミ監督の作品世界から離脱できたようです。現代のような戦争が起こった原因を追究して制作された作品ということですが、歴史ものとしても見どころ満載なので、日本でも観れるといいのにと思います。翻訳が必要になるのが海外作品の難しいところですね。ジフコフさんの出世作は、観ていませんが、メル・ギブソン監督の「パッション」。キリスト役?と思いましたが、ヨハネ役でした。キリスト系?の容姿なんですよ 笑

「若者のすべて」の、あのシーンは妙な雰囲気だったので、気付く人は気付くという感じでしょうか。モリ―ニ役の俳優さんが、大御所俳優だったので注目してしまい、彼のシモーネへの熱視線にも目がいってしまいました。まさか、と思いながらも気になりながら鑑賞していたので、あのシーンで、やはりそうか、と。ただ、確証がなくて、ついイタリアWikiまで遠征へ お恥ずかしい限りです 笑

「太陽がいっぱい」も「リプリー」も観ましたが、全然、気付きませんでした。淀川先生だけが気付かれていたとは、流石です。当時は明言するのが憚れたというのもあるかもしれませんね。若き日のアラン・ドロンがCMに出ており、撮影場所がシチリアはタオルミーナと知りまして、久々に「太陽がいっぱい」を観てみたいと思っていました。

ドロンが、殺した友人を好きだった、ということですよね?言われてみると、彼女を敵対視していたような雰囲気、あったかもしれませんね。単なる”あこがれ”と思ってましたが、視線やしぐさに、それ以上のものがあるんでしょうね。

映画から離れた状況でしたので、Nickさんのネタバレを含めた掘り下げたレビューを楽しんでいましたが、観れるようになっても、気が付かない部分が多いので、レビュー、参考になりますm(__)m カット部分があると思うと、製作陣は、間違いなく、詰め込んでますよね。DVDはディレクターズ・カットにしてもらいたい派ですが、おまけ映像も割と長いので、1DVDを観るのに相当な時間を用意しておかないと、となると、また縁遠くなってしまいますね。

Nick

Date2019.11.15 (金) 00:32:26

フリスト・ジフコフさん、当たり前ですが生きてたようで何よりです。
「パッション」のヨハネ役の人ですか。
キリストと同じくユダヤ人ということなんでしょうし、
どうしても似たような人に見えるかもしれませんね。

まれさん、イタリアWikiまでチェックしているとは……。
「若者のすべて」もやはり母国の人が見るとわかることもあるのでしょう。
私は外国語がてんでダメなので到底調べられませんが。

「太陽がいっぱい」ではアラン・ドロンが殺した男性の服を着て、
その男に成りすました形で鏡のなかの自分とキスをするシーンがありました。
男同士のキスシーンのように見えるわけで、
そのあたりにも仄めかされていたようですね。
同性愛そのものを直接描くのは当時は難しかったというのはあるんでしょうね。

特典映像が入っているDVDは結構ありますね。
それから監督による音声解説なんかがあると、
さらに倍くらいの時間がかかったりしますからなかなか時間は足りません。

まれ

Date2019.11.24 (日) 07:04:52

「太陽がいっぱい」にそんなシーン、ありましたか・・・。タイトルも映像も俳優も魅力的ですけど、ついついミステリーとして観てしまい、それだけで終わってしまうのには勿体なさ過ぎる作品ですね。再度観たいのですが、なかなか。でも、今はDVDやネットで、いつでも鑑賞できる環境というのは、本当にありがたいです。

「君の名前で僕を呼んで」のDVDで、初めて音声解説という”おまけ”の存在を知りました。副音声は「水曜どうでしょう」で見慣れていて、撮影時のこぼれ話やDVD作成時の直近の話など、予想以上にヒットした作品は特に面白いと思います。
全部観るのに時間が掛かりますが、おまけ付きのDVD、無くならないで欲しいです。数年前からヴィニール・レコードも復活しアナログの良さが認められているので、多分、無くならないとを願いますが、コアなファン向けになり、値段が上がるのが心配です。

Nick

Date2019.12.02 (月) 22:04:02

映画も一度観たくらいだとなかなか覚えてられませんね。
昔観た作品を知らずにもう一度観ていて途中で気が付くこともありますし。

副音声の特典がいつ頃から登場したのかわかりませんが、
製作陣の裏側が垣間見られておもしろいですね。
監督の演出意図とかを知ってなるほどと思うこともありますし。
なかなか全部消化するのは骨が折れますが。

まれ

Date2019.12.31 (火) 13:27:16

「太陽がいっぱい」、そして「リプリー」観ました。
シチリア島はタオルミーナが舞台と思っていましたが、なんとタオルミーナへ行く途中でドロン扮するトムがフィリップを殺してしまい、シチリア島は出てきませんでした 笑 主な撮影地はナポリ近郊のイスキア島でしたが、物語では架空の町でした。
アメリカ小説が原作で、アメリカ富豪に頼まれ、南イタリアで遊んでいる放蕩息子を国に連れ戻すお話ですが、主演俳優達が仏語で話しをており、国に連れ戻すって、どこに?という感じで笑えました。

淀川先生ご指摘の、トムがフィリップの服を着て鏡にキスするシーン、ありました。でも、フィリップを思ってというより、おしゃれな服を着た自分に酔いしれながら、フィリップの真似をしただけに見え、他の場面でも、フィリップのようなお金持ちになりたい、という野心は見えても、彼を好きになっているようには見えず、ゲイ要素を入れたのか微妙でした。原作へのオマージュ的”サービス・ショット”ですかね?笑

「リプリー」は観たと思っていましたが、「太陽がいっぱい」が面白かったので、わざわざリメイクは観ていませんでした。冴えないマット・デイモンがジュード・ロウを好きになるのはわかる気がしましたし、ストーリーもそのようになっていましたが、マット・デイモンのトムには、フィリップ殺害後の”華麗さ”がなく、ヴェネチアやサンレモでの撮影やセット、衣装も豪華だったのに、ドロン主演の方がテンポも良く、面白かったです。

顔も平凡な上、貧乏な男が富豪の息子に成りすますにはムリがあり、南ヨーロッパでのゴージャスなバカンスを楽しんでいるのに、どこか悲壮感があり、ドラマチックさに欠けてしまっているような・・・。ジュード・ロウがリプリーの方が良かった気がします 笑 

「リプリー」は逃げ切れそうなラストで、その後の人生も映画化されたようですが、アラン・ドロン扮するトムの、南イタリアの青い海をバックに、逮捕されることなど考えもしない清々しい顔のラストが、やはり名作たるゆえんじゃないかと思いました 笑 半年くらい前から気になっていた映画だったので、これで心置きなく年が越せます。

なかなか映画が観れない状況が続いていましたが、春先に気になる映画がいくつかあり、ネタバレありの解説を探してやってきてから、あれやこれやと書き込んではお返事をいただき、本当にありがとうございましたm(__)m 来年もNickさんのネタバレと深堀りな新・旧作レビュー、楽しみにしています。
どうぞ、良いお年をお迎えください!

Nick

Date2020.01.09 (木) 20:09:26

返信が遅くなり申し訳ありません。
正月休みでのんびりが染みついてしまって、
未だに日常に復帰できてません。

まれさんはイタリアについて詳しいですね。
こちらはイタリアの雰囲気だけで満足してしまい、そんなところまで見てませんでした。
そういえば原作はアメリカのものですが、
製作国はフランスだし、監督も役者もフランスの人でした。

「太陽がいっぱい」はあれだけでは通常ゲイ要素は感じないと思います。
映画が作られた1960年には憚られたということなのかもしれません。
どちらかと言えばフィリップの印象よりも、彼女のマルジュのほうが印象に残ってますし、
同性愛を前面には出してなかったということなのかと。
ただ原作にははっきりそれが書かれていて、
淀川先生は日本で原作が翻訳される前にそれを指摘していたということだったんだろうと思います。

一方の「リプリー」はフィリップをジュード・ロウが演じていたりして、
同性愛的要素が強まっていますし、ラストも原作に忠実なものになっています。
ただ、映画の出来となると「太陽がいっぱい」のほうが鮮烈だったと思います。

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