『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』 リーゼントも乱れない

 監督は『テラフォーマーズ』などの三池崇史
 原作は荒木飛呂彦のマンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部。

三池崇史 『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』 みんなキャラが濃い!

 連載を読んでいた子供のころは登場人物たちの背後霊のように現れるスタンドを、そのキャラの守護神のように理解していたのだけれど、『ジョジョ』は「超能力を視覚化した」などと評価されるのだとか。
 宇野常寛『ゼロ年代の想像力』の分析によれば、たとえば『ドラゴンボール』や『キン肉マン』はトーナメント型で、『ジョジョ』のようなマンガはカードゲームのようなバトルロイヤル型になる(まとめ方は違っているかも)。トーナメント型の強さは数値で表され、強さがどんどんインフレーションして際限がなくなっていくのに対して、バトルロイヤル型のほうは様々な能力のキャラが同時に立ち並ぶことになる。
 『ジョジョ』のなかに登場するスタンドは、登場人物ごとに使う特殊能力も異なる。たとえば「時を止める」とか、「念写する」とか、「炎を操る」とか、独自な能力があるところが子供心にも楽しかった。今回の『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の主人公仗助のスタンドは「人のケガや壊れた物を修復する」という能力で、単に修復するだけではなく、闘いのなかで策士らしいアイデアとともにそれを披露するところが見どころのひとつ。

 私自身は原作に関しては第3部の途中までは読んでいるという中途半端な状態。とりあえずは第4部へたどり着くまでの前提条件くらいは知っているけれど、細かいネタでは置いてきぼりになるところも。知っている人は楽しめるという部分も多々あるようで、この映画から入った人にとっては消化不良な部分もある。
 続篇ありきの作品だからラストで物語が完結するわけでもないし、途中から始まって途中で終わってしまったという感じは否めない。第4部から始まって、人気が続くようだったら遡って第1部から第3部もやろうという『スター・ウォーズ』のような商法を考えているかもしれない。個人的には第2部の波紋の闘いを見てみたい気もするけれど……。

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』 仗助(山崎賢人)のスタンド(クレイジー・ダイヤモンド)はこんな感じ。

 スタンドの表現はCG技術の進歩もあって見栄えがするし、スタンド同士の闘いはマンガを知らなくても十分に楽しめる出来となっていたんじゃないだろうか(ぼんやりとした見え方がよかった)。さらに『ジョジョ』の独特な世界を生み出すためにわざわざスペインまで行って撮影しただけあって、奇妙な違和感がある世界となっていた。スペインの街並みをリーゼントの学ラン姿が闊歩するというのは何とも形容しがたい世界だった。それから役者陣のなりきりぶりも仗助のリーゼントと同様に気合いが入っていたと思う。國村隼は逆にコスプレを禁じられたかのように國村隼にしか見えなかったけれど……。
 
 テーマとしては“家族”を設定しているようだ。主人公の仗助(山崎賢人)は祖父・東方良平(國村隼)の「この街を守る」という意志を受け継ぐことになるし、最初の敵である片桐安十郎(山田孝之)は父親を恨み、父殺しまでやらかす。次の敵となる虹村形兆(岡田将生)と億泰(新田真剣佑)の兄弟は父親の存在に苦しんでいる。なぜかバケモノと化した父親は、過去も忘れ、ただ生きているだけで、殺そうとしても殺すこともできない。これは認知症を患った親を思わせる設定のような気もするのだけれど、続篇ではどんな展開となるんだろうか?

『ジョジョの奇妙な冒険』


ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)


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Date: 2017.08.08 Category: 日本映画 Comments (0) Trackbacks (2)
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