『フェイス/オフ』『ミッション:インポッシブル2』などの
ジョン・ウー監督の最新作。
高倉健主演で中国では大ヒットしたという
『君よ憤怒の河を渉れ』(佐藤純彌監督)のリメイクとのこと。
主演に福山雅治を据え、舞台も大阪ということで、かなり日本を意識した作品。

国際弁護士のドゥ・チウ(
チャン・ハンユー)は朝起きると隣には女の死体が転がっている。いつの間にかに殺人犯に仕立て上げられてしまったドゥ・チウを追うことになるのは、刑事の矢村(
福山雅治)。矢村はあまりに証拠が揃いすぎている事件に次第に疑惑を抱くようになり……。
香港映画の多くは物語などあってないようなもののような気もするし、ツッコミどころ満載で滅茶苦茶なところがあってもいいと思うのだけれど、あまりノレなかったのはなぜだろうか。
福山雅治が演じる矢村という男が福山雅治にしか見えなかったからかもしれないし、なかなか男臭い面構えのチャン・ハンユーこそが本当の主役であるはずなのに、日本のファンに遠慮したのか次第に印象が薄くなっていってしまったからだろうか。アクションはそれなり満載なのだけれど、どのシーンにも既視感があるし、
ジョン・ウー自身が自らのヘタなパロディをやっているようにすら感じられてすっかり醒めてしまった。
そんななかでも一番いい動きを見せていたのは、ふたり組の女殺し屋のぽっちゃりさんのほう。実はこの人
アンジェスル・ウーと名前で、ジョン・ウーの娘さんだということが判明する(クレジット後の福山雅治とジョン・ウーの対談による)。まあ縁故採用とはいえ、動きはよかった。褒めるところを見つけようとすればということだけれど……。
ジョン・ウー作品のなかでは
『男たちの挽歌』が一番のお気に入り。
チョウ・ユンファの二丁拳銃のカッコよさに痺れたし、
ティ・ロン(渋い!)と
レスリー・チャン(初々しい!)の兄弟のドラマは涙なしには観られないと今でも思う。それと比べてしまうと
『マンハント』は残念だったしか言いようがない。







ジョン・ウーの作品