『ローガン・ラッキー』 この作品で強盗に遭ったのはあなただけ?
『サイド・エフェクト』(2013年)を最後に引退と謳っていたスティーヴン・ソダーバーグの復帰作。
脚本は、この作品が最初の脚本だというレベッカ・ブラント。
ソダーバーグが引退した理由は作品のすべてをコントロールできるような環境ではなかったかららしいのだが、今回のカムバック作品は自分の会社などを設立して自分のやり方で映画を撮ることができるようになったようで、それだからかはわからないけれどとてもご機嫌な作品に仕上がっている。
都会的でシャレている『オーシャンズ11』シリーズとは対照的に、田舎者で野暮ったい登場人物ばかりの『ローガン・ラッキー』。オーシャンたちがプロの犯罪集団だったのに対して、ローガン一味の面々は言ってみれば社会の落ちこぼれ組。そんな面々がNASCARレースの売上金を盗もうと画策するのだけれど、計画は杜撰であちこちでマヌケさを見せるのだが……。
ジミー(チャニング・テイタム)はアメフトの有望選手だったけれど、ケガでリタイアして建設現場で働いている。弟のクライド(アダム・ドライヴァー)はイラクで片腕(ではなく片手?)を失くして帰還した。金庫破りのジョー・バング(ダニエル・クレイグ)のふたりの弟はとても頭が悪そうだけれど、倫理的に間違っているから犯罪には加担しないと言ってのける(変な理由で義憤に駆られたのか結局に参加することになるのもアホっぽい)。みんな愛国者であり、人がいい奴ばかりなのだ。だからやっていることは犯罪でも痛快なのだ。
しかもこの事件で損をしたのは誰もいない。カーレースの運営会社は保険会社から被害額以上の金を受け取っているかもしれないし、ローガンたちは欲張らずにそれなりに再スタートが切れるほどの金をせしめたらしいし、協力者たちにもそれなりの謝礼金が届けられる。エンドロールで「この作品で強盗に遭ったのはあなただけ」といった言葉が示されるのも粋だった。
ジミーの娘が「カントリー・ロード」を歌うシーンが泣かせるのだけれど、懐かしい場所に帰ってきたソダーバーグの心情が反映されているようにも感じられた。
スティーヴン・ソダーバーグの作品
脚本は、この作品が最初の脚本だというレベッカ・ブラント。
ソダーバーグが引退した理由は作品のすべてをコントロールできるような環境ではなかったかららしいのだが、今回のカムバック作品は自分の会社などを設立して自分のやり方で映画を撮ることができるようになったようで、それだからかはわからないけれどとてもご機嫌な作品に仕上がっている。
都会的でシャレている『オーシャンズ11』シリーズとは対照的に、田舎者で野暮ったい登場人物ばかりの『ローガン・ラッキー』。オーシャンたちがプロの犯罪集団だったのに対して、ローガン一味の面々は言ってみれば社会の落ちこぼれ組。そんな面々がNASCARレースの売上金を盗もうと画策するのだけれど、計画は杜撰であちこちでマヌケさを見せるのだが……。
ジミー(チャニング・テイタム)はアメフトの有望選手だったけれど、ケガでリタイアして建設現場で働いている。弟のクライド(アダム・ドライヴァー)はイラクで片腕(ではなく片手?)を失くして帰還した。金庫破りのジョー・バング(ダニエル・クレイグ)のふたりの弟はとても頭が悪そうだけれど、倫理的に間違っているから犯罪には加担しないと言ってのける(変な理由で義憤に駆られたのか結局に参加することになるのもアホっぽい)。みんな愛国者であり、人がいい奴ばかりなのだ。だからやっていることは犯罪でも痛快なのだ。
しかもこの事件で損をしたのは誰もいない。カーレースの運営会社は保険会社から被害額以上の金を受け取っているかもしれないし、ローガンたちは欲張らずにそれなりに再スタートが切れるほどの金をせしめたらしいし、協力者たちにもそれなりの謝礼金が届けられる。エンドロールで「この作品で強盗に遭ったのはあなただけ」といった言葉が示されるのも粋だった。
ジミーの娘が「カントリー・ロード」を歌うシーンが泣かせるのだけれど、懐かしい場所に帰ってきたソダーバーグの心情が反映されているようにも感じられた。
スティーヴン・ソダーバーグの作品
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